焼き菓子のファンにはお馴染みかもしれませんが、タルト生地とクッキー生地は基本的に似た成分から作られています。
砂糖の量には違いがあり、砂糖を控えめにしたクッキーや甘みの強いタルト生地もありますが、その具体的な違いについてご紹介します。
タルト生地とクッキー生地の共通点
クッキーは人気のギフトやお茶うけであり、生地を成形して焼き上げる焼き菓子です。
一方、タルトは生地を薄く伸ばしてタルト型やパイ皿に入れ、焼いた後にフルーツやクリームを詰めたり、甘くない生地で料理としての具材を使用することもあります。
実際に、クッキー生地は薄力粉とその他の材料で作られ、タルトの代替品としても使用できます。
タルト生地は材料の配合が異なり、甘いタルト生地や異なる食感のバリエーションも存在します。
クッキー生地の成分
通常のクッキー生地は、薄力粉、バター、卵、砂糖、香料から成り立っています。
これらを混ぜて生地を作り、好みの形に整えてオーブンで焼きます。
健康志向の高まりを受けて、一部のクッキーでは砂糖を少なくしたり、薄力粉の代わりに玄米粉を使用するレシピも増えています。
基本的な材料にチーズやナッツ、ドライフルーツを加えることで、さまざまなフレーバーのクッキーが作られています。
砂糖が手に入りにくい時代では、クッキーにはほとんど甘味がなかったものの、保存性と栄養価の高さから、旅行の携帯食として重宝されていました。
砂糖が普及したことで、クッキーは甘く美味しい焼き菓子として広く楽しまれるようになりました。
アメリカでは「クッキー」と呼ばれ、イギリスでは「ビスケット」として知られています。
タルト生地のバリエーションとその成分
タルトは生地を平らに伸ばして型やパイ皿で焼き、クリームや果物、惣菜を詰めて提供されます。
甘いデザートタイプと、惣菜タイプのバリエーションがあります。
タルトの生地は主に薄力粉を使用し、低グルテンのため、砂糖、卵、バターを加えて作られます。
生地は食感や甘さによって三種類に分けられ、用途に応じて選ばれます。
パートシュクレの特徴
パートシュクレは、「甘くて砂糖を含む」という意味のフランス語から名付けられました。
砂糖を豊富に使用し、焼き上がりに美しい色がつくため、サクサクした食感が特徴です。
フルーツやカスタードクリームを詰める、デザート用タルトに最適です。
パートブリゼとパートフォンセの解説
パートブリゼは「砕けやすい」という意味があり、パートフォンセは「型に生地を敷く」という意味です。
これらの生地は砂糖を少なくしたり全く使わないため、お菓子や惣菜のタルトに適しています。
サクサクとした食感が特徴で、パイ生地とタルト生地の中間的な口当たりが魅力です。
パートサブレの特徴
パートサブレとは「砂のような」という意味があります。
この名前はバターと小麦粉をサラサラに混ぜる工程と、焼き上がりのもろい食感に由来しています。
アーモンドプードルやベーキングパウダーを加えることで、さらにサクサクとした食感が楽しめます。
この生地はクリームを使ったタルトや型抜きクッキーにも使用されます。
クッキーとタルト生地の材料配分の違い
クッキーとタルトの生地は基本的に同じ材料を使用していますが、配分や調理法の違いで異なる食感や味が生まれます。
パティシエたちはよく「お菓子作りは化学のようなもの」と表現します。
同じ材料でも、配分や調理方法を変えることで、クッキーやタルトといった異なる結果を創り出せます。
ここでは一般的なクッキー生地と、21cmタルト型に適した三種類のタルト生地の標準的な配分を紹介します。
基本のバタークッキーのレシピ
・無塩バター: 60g
・粉砂糖(溶けやすいタイプ): 60g
・卵黄: 1個
・少量の塩
・バニラエッセンス数滴
・適量のアーモンドプードル(お好みで)
タルト生地:パートシュクレのレシピ(21cmタルト型用)
・粉砂糖: 50g
・無塩バター: 60g
・卵黄: 1/2個
・少量の水と塩
タルト生地:パートブリゼのレシピ(21cmタルト型用)
・砂糖: 0g
・無塩バター: 75g
・卵黄: 1個
・少量の水と塩
タルト生地:パートサブレのレシピ(21cmタルト型用)
・粉砂糖: 35g
・無塩バター: 80g
・卵黄: 1/2個
・少量の水と塩
・アーモンドプードル(お好みで適量)
まとめ
クッキーやタルトは、家庭でも簡単に作れるお菓子です。
紹介した基本的な材料と分量をもとに、それぞれの家庭でアレンジを加えてみてください。
代替可能な材料もありますので、お菓子作りが得意な方は自分なりの美味しいクッキーとタルトを焼くのがおすすめです。