なぜ慎重に作った出汁が苦いのか、その疑問にお答えします。
意外にも、出汁が苦くなるのは調理中の小さなミスが原因かもしれません。
この記事では、その苦みの原因とどう対処するかを詳しく解説します。
出汁の苦みを引き起こす3つの一般的なミス
かつては簡単な顆粒だしを使っていましたが、本格的な和食を目指して自分で出汁をとるようになりました。
昆布と鰹節を用意したものの、出汁が思いのほか苦くなってしまいビックリ…
そこでわかった苦い出汁の原因と、適切な出汁の取り方をじっくりご紹介します。
まず、一般的なミスをいくつか挙げてみましょう。
・材料を多く使い過ぎると、雑味が出る
・適切なアク抜きを怠ると、えぐみが残る
・誤った温度で煮ると、風味が失われる
・不適切な抽出方法を使うと、出汁の質が落ちる
初めてのとき、私も昆布を多めに使ってしまい、それが間違いだったと気づきました。
長時間の煮込みが問題
最も一般的なミスは、出汁を長時間煮込むことです。
私の場合、慣れている手順でしっかり煮立ててしまうことが問題でした。
特に昆布出汁は、温度管理が非常に重要です。
高温で煮込むと、苦みやえぐみが生じやすくなります。
さらに、昆布からはアルギン酸という成分が出ますが、これも高温で急速に放出されます。
ゆっくりと低温で出汁をとることが、美味しい出汁の秘訣です。
材料の適量を守る
次に、材料の正しい量についてです。
これが意外に難しいのですが、水に溶ける旨味成分は限界があります。
これ以上の使用は旨味を増すことなく、苦みや雑味の原因となります。
アク抜きの重要性
最後に、アク抜きについてです。
一般的にアクは雑味とされますが、特に煮干し出汁の場合、アク抜きは不可欠です。
浮いてきたアクを丁寧に取り除くことで、よりクリアな味わいが得られます。
これで、出汁の苦みに悩むことなく、料理を楽しむことができるでしょう。
出汁が苦くなってしまった後の対処法
残念ながら、一度苦くなってしまった出汁は元の味に戻すことは難しいです。
これを聞いてガッカリされるかもしれませんが、無駄にしない方法はあります。
苦みが気になる場合、煮物やお鍋など他の料理に利用することで、味がマイルドになることがあります。
また、苦い出汁を薄めて使用するのも一つの手です。
失敗しない出汁の取り方
これから紹介するのは、私が実践している確実な成功方法です。
それは、「水出し」です。
この方法なら、温度管理で失敗することがありません。
水出しは、材料を水に入れて冷蔵庫で一晩放置するだけ。
翌朝、材料をこすと、フレッシュな出汁が完成します。
この方法では、出汁の風味が少し弱くなる可能性はありますが、苦みの心配が少なくなります。
水出しでの、材料の目安は以下の通りです。
・「かつお節」:水の量の2~4%
・「昆布」:水の量の10%
・「煮干し」:水の量の2%
これは基本の目安なので、お好みに応じて調整してください。
水出し出汁の簡単な取り方
手順は、非常に簡単です。
すべての材料を水に入れ、そのまま冷蔵庫で3時間以上、理想的には一晩置くと良いです。
使用する容器は清潔なものを選び、蓋付きで冷蔵庫に保管すれば衛生的です。
水出し出汁の効果的な保存方法
水出し出汁は加熱していないため、通常は冷蔵庫で2~3日が消費の目安です。
長期保存を希望する場合は、一度沸騰させてから冷ますと、約5日間保存が可能です。
また、私はしばしば小分けにして冷凍保存しています。
この方法なら、必要な分だけ解凍して使うことができ、非常に便利です。
まとめ
最後に、成功する出汁のコツをまとめておきます。
・材料の量はしっかりと守る
・水出し方法なら失敗が少ない
・保存は小分けにして、冷凍するのも良い
プロの料理人が出汁を学ぶのに何年もかかることもありますが、家庭での実践はもっと自由に楽しめます。
和食の質を格上げするためにも、出汁作りに挑戦してみてください。