Instagramは、2010年にケビン・システロムとマイク・クリーガーによって立ち上げられたソーシャルネットワークサービスです。
発表から14年以上経過し、かつては世界中で広く愛されました。
しかし現在、その魅力が薄れ、時代遅れとみなされがちなこのプラットフォームの評価は下降しています。
この記事では、その原因を探ります。
動画コンテンツへのシフトとアルゴリズムの変更
2020年8月、Instagramはリール機能を導入し、短い動画投稿を可能にしました。
これは直接的に、TikTokへの対抗策とされました。
リール導入以降、動画は静止画よりも優先してフィードに表示されるようになり、新しい投稿が目立つよう変更されましたが、フォローしている人の投稿が見づらくなるなど、多くのユーザーにとって使いづらくなったと感じられています。
アルゴリズム変更が与える影響
アルゴリズムの変更は、表示されるコンテンツの種類だけでなく、ユーザーの行動にも大きな影響を及ぼしています。
これにより、Instagramは写真中心のSNSから動画プラットフォームへと変貌を遂げましたが、これは元々美しい写真を共有したいと願っていたユーザーにとっては、歓迎されない変化かもしれません。
広告の増加とプラットフォームの商業化
2013年、Facebook(現Meta)に買収されてから、Instagramは商業化を加速させました。
ユーザーのフィードに表示される広告が増加していると感じる人が多く、これがユーザー体験にどのような影響を与えているのかを深掘りしてみます。
広告の増加がもたらす影響
広告の増加は、フィードの閲覧体験を著しく変えてしまっています。
かつては、友達や興味のあるアカウントの新しい投稿を楽しむことができましたが、現在は広告の多さがそれを阻害しています。
さらに、過度にパーソナライズされた広告はプライバシーの侵害と感じるユーザーもおり、例えばオンラインで検索した商品の広告が表示されることに「不気味だ」と感じることもあります。
ハッシュタグシステムの修正
Instagramの特徴的な機能であるハッシュタグシステムが大きく変更されました。
以前はハッシュタグを利用して最新のコンテンツを容易に探すことができましたが、現在は「人気の投稿」が優先的に表示されるため、新しい投稿を見つけるのが難しくなっています。
この変更はハッシュタグの機能性を低下させ、特に新しいまたは小規模なアカウントの成長を妨げています。
ハッシュタグ修正の具体的影響
この修正は特に、「小規模アカウントや新規ユーザー」に、大きな影響を与えています。
適切なハッシュタグを使用することで、フォロワーが少なくても広い範囲に自分の投稿を見てもらうことができたのですが、今は人気の投稿が優先されるため、既に多くのフォロワーを持つアカウントが目立ちやすくなっています。
例えば、地方のカフェオーナーが以前はハッシュタグを通じて新規顧客を獲得していたのに、今ではその効果が薄れていると嘆いているのはそのためです。
ユーザーの減少と他プラットフォームの台頭
Instagramのユーザー流出が顕著になり、特に若者層は他のソーシャルネットワークへの移行を進めています。
Piper Sandlerの2023年調査によると、アメリカの10代の間でInstagramの利用率が減少し、代わりにTikTokやSnapchatが人気を集めています。
これが一時的な流行か、それとも長期的な変化の兆しであるかは今後の動向から明らかになるでしょう。
ユーザー減少の背景分析
Instagramのユーザー減少は、複数の要因が絡み合っています。
動画を重視するアルゴリズムの変更により、同様の内容が頻繁に表示され、ユーザーの興味が薄れています。
また、広告ターゲティングの精度向上がプライバシーに関する懸念を高め、ユーザーの不安を煽っています。
さらに、写真共有の魅力が薄れ、他のプラットフォームとの差別化が困難になっています。
若者たちはよりダイナミックでリアルタイムなコンテンツを求めており、新しいプラットフォームへの移行が進んでいます。
まとめ
多くの人がInstagramを「時代遅れ」と感じ始めていますが、本当にそうでしょうか?
Instagramには依然として多くのアクティブユーザーが存在し、2023年現在で約20億人が利用しているとされます。
しかし、その魅力や独自性の減少は否めません。
Instagramが持続的な成長を遂げるためには、ユーザーの声に耳を傾け、元来の魅力を取り戻す努力が必要です。